履歴書を書かなきゃいけないんだけど、障害についてどんな風に説明したらいいのでしょうか?
履歴書は採用担当者が応募者について知るための大切な書類です。
障害者雇用での就職を希望している場合には、障害についての説明も必要になります。
履歴書の書き方と、障害について説明する資料の書き方をご説明します。
履歴書の書き方
ここではJIS規格に準拠した、もっともスタンダードな履歴書の書き方を紹介します。
履歴書はコンビニや文具店などで100円前後で購入することができます。
手書きの指定がなければ、パソコンで入力してもかまいません。
パソコンを使用する場合は、履歴書のフォーマットをインターネットでダウンロードして作成することができます。
住所や氏名の書き方
日付
提出する日付を書きましょう。
郵便で送る場合には、送る日付を書きましょう。
氏名
名前とふりがなを書きます。
記入欄に「ふりがな」とある場合はひらがなで、「フリガナ」とある場合はカタカナで書きましょう。
生年月日と性別
和暦(昭和●年、平成●年など)か西暦(200●年など)で統一しましょう。
年齢は、履歴書を提出する時点の年齢を記入しましょう。
現住所と電話番号
都道府県から記入しましょう。
番地についても略さずに○丁目○番○号と記入しましょう。
電話番号は市外局番から書きましょう。
携帯電話の番号でもかまいません。
連絡先
連絡先は現住所以外に連絡を希望するときに記入しましょう。
写真
サイズは横2.4〜3cm、縦3.6〜4cmの証明写真を用意しましょう。
履歴書を書き終えてから、最後に貼りましょう。
写真は写真館などで撮影したものはもちろんですが、500~800円ほどのスピード自動撮影機で撮影したものでもかまいません。
襟の付いた服を着て、髪の毛を整えて、目立つアクセサリーは外して撮影しましょう。
学歴・職歴欄の書き方
見出し
学歴、職歴という見出しを記入しましょう。
年月
和暦(昭和●年や平成●年など)か西暦(200●年など)で統一しましょう。
入学、卒業年・月は間違っていないか、しっかりと確認しましょう。
学歴
「○○県立」「○○市立」を省略せずに記入しましょう。
職歴
会社名だけでなく、部署名や配属先を記入しましょう。
転職経験が多い場合には、書けるところまで記入して、最後の行に「詳細は職務経歴書をご参照ください」と書きます。
枠内に収まる場合には「以上」と右側に記入しましょう。
また、詳しい実績などは職務経歴書に記入しましょう。
現在の状況
前の仕事を既に辞めている場合は「一身上の都合により退職」と書きましょう。
在職中の場合は「現在に至る」と書きましょう。
転職回数が多い人は、書き始める前に自分の経歴をひとつずつ紙に書いて、時系列に並べて整理してみてください。
免許・資格欄の書き方
免許と資格
免許や資格を取得した順に時系列で記入します。
複数の免許や資格を持っていると記入欄に書ききれない場合がありますが、そのときは応募先の職種で活かせるものを優先して記入しましょう。
資格取得に向けて勉強中の場合には、取得予定時期も含めて記入してもよいでしょう。
応募先の企業に対するアピール力の高いものを記入してください。
志望動機・通勤時間・配偶者の有無の書き方
志望動機
「自分の持っている経験や能力を活かして、応募先企業に貢献したい」という気持ちを、自分の言葉で記入しましょう。
例)貴社の、一人ひとりのお客さまを大切にする経営方針に共感しています。
私は飲食店や衣料品の販売、スーパーのレジ、農業などのいろいろな仕事を経験してきました。
その経験の中で自分自身の障害と向き合い、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と考えています。
障害の特性のためにできないことや苦手なことは、自分のやり方を人に見てもらって、アドバイスをもらいながら対処してきました。
一般事務の業務では、不器用さがあるので手元の動きや姿勢を必要に応じて指摘していただけると改善できます。
33歳で発達障害の診断を受けてからは、障害者手帳を取得して、就労移行支援事業所に週5日3ヶ月間通って、WordやExcelスキルも身につけました。
事務職として貴社の利益に貢献できる社員になることが私の目標です。
通勤時間・配偶者
自宅を出発してから会社に着くまでの片道の最短時間を記入しましょう。
扶養家族数と配偶者の有無、配偶者の扶養義務は、家族手当などの待遇面に影響するので、現状を記入しましょう。
志望動機を書くためには、求人票の内容や企業のホームページをみて、応募先企業のことをよく知ることが必要です。
本人希望記入欄の書き方
待遇面などについては、原則として「貴社の規定でお願いいたします。」と記入するのが一般的です。
障害については、「別紙『私の障害について』を添付いたします。」と記入しましょう。
希望する職種があればこの欄に記入しましょう。
勤務条件について細かな希望があった場合には、面接で採用担当者に相談しましょう!
「私の障害について」説明資料の書き方
障害に関する説明資料は、必ず作らなければならないものではありません。
しかし、事前に説明資料を送ることで障害のことや必要な配慮について正しく伝えることができます。
以下の10項目に答えながら説明資料を作って、履歴書と職務経歴書と一緒に送りましょう。
障害について
以下の項目を書くことが望ましいでしょう。
①障害(診断名)
例)発達障害 ADHD(注意欠陥・多動性障害)
②障害者手帳の種類と等級
例)精神障害者保健福祉手帳3級
③障害者手帳取得年月日
例)平成26年8月
④障害に気がついた時期と理由・経緯
例)幼いころから「すこし変わった子」といわれてきましたが、自分の障害を自覚したのは27歳のときからです。
33歳のときに診断をうけて発達障害の一種のADHD(注意欠陥・多動性障害)だとわかりました。
書き方に迷ったときは支援機関のスタッフや身近な人に見てもらって、アドバイスをもらいましょう。
専門家・支援機関とのかかわり
⑤就労に関しての主治医の意見
例)主治医からは、通常勤務は可能だが、疲労と精神的ストレスを避けて、睡眠・食事などの生活管理をしっかりするようにいわれています。
⑥支援施設名や事業所名と通所頻度
例)就労移行支援事業所サンフラワー 週5日 3ヶ月
就労移行支援事業所などの支援機関に通っていることは実績としてアピールになるので、しっかりと記入しましょう。
業務上の配慮について
⑦得意な業務
例)笑顔でお客様に対応することができるので、接客業などの人とかかわる仕事が得意です。
⑧苦手な業務(障害があることで行うことが難しい業務、その対応策)
例)これまでさまざまな人と仕事をするなかで、聞き間違いやうっかりミスが多いと指摘を受けることがありました。
そのため、言われたことをメモに書いたり、メモを相手にも確認してもらったり、言われたことをその場で復唱したりする工夫をしました。
そのことで「私でも工夫次第でなんとかなる」という気づきを見つけてきました。
不器用さがあるので、手元の動きや姿勢を必要に応じて指摘していただけると改善できます。
また、期日に追われる業務を苦手としています。
⑨会社に配慮していただきたい点
例)プレッシャーの少ない中で期日に追われずに落ち着いてできる業務をさせていただければ、一定のパフォーマンスは発揮できるかと思います。
⑩上記以外で管理者または同僚に知っておいてほしいこと(障害関連、その他)
例)体調の変動の波が激しいため、当日になって出社ができないということがたびたびありますが、ご理解いただければ幸いです。
「障害がある」というだけではなく、障害を補うための方法や配慮について具体的に記入しましょう。
まとめ
障害者雇用で働く場合の応募書類の作り方について、履歴書の書き方と「私の障害について」資料の書き方をご説明しました。
履歴書の書き方は一般的な書き方と大きく変わりませんが、「私の障害について」はここで紹介した記入項目を参考にして、応募先の企業に伝えてください。
障害者の就職活動も甘くはありません。
応募書類づくりで手を抜くと、面接で準備不足がバレてしまいます。
しっかりと準備をしてから応募書類を記入しましょう。