燃料添加剤 WAKO’S FUEL 1(フューエルワン)を使ってみました

燃焼によって堆積したカーボンはエンジンに少なからずダメージを与えることがあります。 私のエンジンは5年前にオーバーホール兼ファインチューンをしたばかりで、その後の走行距離もそれほど走っていないのでまだカーボン除去系の清浄剤は必要ないと考えていますが、最近は逆に街乗りでの短距離走行が多くなってきたため、それなりにバルブや燃焼室内もカーボンで汚れてきている頃ではないかと思い、モノは試しでPEA(ポリエーテルアミン)系の燃料添加剤を使ってみることにしました。 これはよくあるパワーアップやトルクアップのための添加剤ではなく、燃料系統の洗浄・クリーニング、たとえばインジェクターの目詰まり改善やポート、バルブ、燃焼室、ピストンなどについたスラッジやワニス、カーボン汚れを除去し「エンジン本来の性能、ポテンシャルを発揮させるため」の添加剤で、決して「怪しい添加剤」ではなく科学的に効果があることが立証されている成分でできている信頼できる添加剤です。

↑私のK6Aエンジンに使用しているサードの12ホールインジェクター。最近のインジェクターは12ホール、中には18ホールなんてものもあり、噴射口の穴径が小さく目詰まりしやすいので、定期的にこういったPEA系の燃料系統清浄剤を使用することは有効ではないかと思います。 とくにEGR(排気ガス再循環装置)がついているエンジンはインジェクターが汚れやすく目詰まりしやすいので定期的な洗浄は有効でしょう。

ちなみにK6AエンジンにはEGRはついていません。(F6AエンジンはEGRがついています)

●購入したのはもっともポピュラーなワコーズのフューエルワン(F-1)

購入候補は他にもタービュランスのGA-01やHKSのDDRも考えましたが、これらはPEAの濃度が高く、もっと走行距離の延びたエンジン向けのような気がするのと、もう一つの理由はGA01やDDRはPEAの濃度が高い(ほぼ100%)ため、清浄作用が強すぎてしまい、カーボンが一気に多量に取れてしまうとそれはそれでエンジンに良くないと考えたからです。

それに対してこのフューエルワンはPEA濃度が50%と低く、他の製品に比べ「穏やかな作用」でカーボンを少しづつ除去してくれるのでエンジンに優しいのではないかと思います。 人間が飲む薬で喩えれば、GA01やDDRは効果は高いけれどもそのぶん副作用も強い、逆にフューエルワンは効果は穏やかだけれどそのぶん副作用の心配が低い、という訳です。

※この「副作用」とはどういうことなのかについての詳細は後述します。

以上が数ある燃料添加系カーボン清浄剤の中からフューエルワンを選んだ理由です。ようするに安全性の高さ優先で選んだわけです。 なお、PITWORK F-1(F-ZERO)も中身はこのフューエルワンと同じ成分らしい(ようはワコーズのOEM製品)らしいです。

いちおう主成分のPEAの濃度は50%とのことです。 ちなみにフューエルワンは通常1本1600円から1700円ほどしますが、私は溜まってたTポイントでオートバックスで購入したので今回は実質タダで入手しました。

さっそく投入!

このフューエルワンはガソリン(軽油もOK)30リッターから60リッターに対して1本を添加します。

ジムニーの燃料タンクは40リッターですので、1本でちょうど良い量です。 ちなみに、説明書きには30リッター以下の場合は添加割合が1%を超えないようにと書かれています。これは、主成分のPEAが難燃性のため、濃度が濃くなりすぎると着火し辛くなりミスファイアーを起こすなど燃焼に悪影響が出てアイドリングでプラグがカブったりするおそれがあるためだそうです。 言い方を変えるとこのPEAという成分は燃焼しないわけですから、厳密に言えばこのPEAを含有した添加剤を入れたらそれを使い切るまでは若干パワーおよびトルクダウンするはずです。

↑フューエルワンを給油口から入れます。 ちなみにフューエルワンの匂いはなんとなく灯油っぽい感じの匂いです。 もちろん、ガソリンを満タンにしてから入れますが、本来ならタンクが空に近い状態で先にフューエルワンを入れて、それからガソリンを給油したほうが混合が早いはずですが、私のJA22ジムニーの旧型K6Aのようにリターン式燃料系統の車の場合はこのように先にガソリンを満タンにしてから入れても、燃料が常に循環するため、エンジンをかけていればすぐに撹拌、混合されるのでまったく問題ありません。 逆に、新規格K6Aのようなリターンレス式燃料系統の車の場合は燃料が循環しない(正しくはタンク内で循環はしているのですが)ため、先にフューエルワンを入れてからガソリンを満タンにしたほうが混合が早いと思います。 まぁ、どっちにしても走っていれば自然と撹拌、混合しますからガソリンと添加剤どちらを先に入れても問題はありません。

<重要> PEA系清浄剤の使用上の注意すべきこと(※前述した「副作用」について)

インジェクターから噴射されたガソリンは100%が燃焼するわけではなく、ごく一部はピストンとシリンダーの隙間からクランクケース内に流れ込みます。ここで、エンジンオイルの温度が高ければガソリンは揮発しますが、PEAはオイルに溶け込んでしまいます。 そうすると、エンジンオイルが変質を起こし、エンジンオイルの粘度変化や潤滑性能低下など、オイルの性能が低下する危険性がありますので、この手の燃料添加剤を添加したガソリンを入れた場合は、そのタンク分を使い切ったらなるべく早めにエンジンオイルとオイルフィルターの交換をすることが大切です。

とくにガソリン冷却をするために空燃比(A/F比)が濃い目にセッティングしているターボエンジンではこれは重要なポイントです。 GA-01などはホームページで「特殊なPEAなのでエンジンオイルに成分が混入しても粘度変化を起こさない」と書いていますが、仮に粘度に変化がなかったとしても「エンジンオイルに不純物が混ざってしまっている状態には変わりない」わけですし、とくにGA01やDDRはカーボン除去効果が強力なぶん、その取り除かれた多量のカーボンがピストンとシリンダーの隙間からブローバイガスと一緒にクランクケースに入り、エンジンオイルを汚損しますので、やはりこの類のカーボン除去系の清浄剤使用後は早急にエンジンオイルとオイルフィルターの交換をすることをお勧めします。 とくにハイパワーにチューニングしてエンジンオイルに要求する性能に厳しいエンジンでは重要です。性能劣化したエンジンオイルで全開走行などしたら最悪は焼き付いてエンジンブローに繋がるおそれさえあります。 ですので、この種の燃料添加剤使用中は間違っても全開全負荷のハードな走行(サーキットでの全開走行や最高速アタックなど)をおこなってはいけません。 これはかなり重大なリスクだと思うのですが、残念なことにこのへんの使用上のリスクやデメリットに関する注意書きをきちんと明記している製品はないし、それを指摘している人もいないのが不思議です。 ノーマルエンジンならまだしも、チューニングエンジンに乗っているのならこういった添加剤がエンジンに与える悪影響も十分に考慮すべきだと思うのですが、本当に多くの皆さんは勉強不足というか、メーカーの宣伝文句にまんまとうまく踊らされてしまってると思いますね。添加剤メーカーはこのあたりの使用上のリスクと注意点をしっかり記載すべきだと思います。

↑PEA配合のカーボン除去系の清浄剤ガソリン使用後は早急にエンジンオイルとオイルフィルターの交換をしましょう。つまり、この種のガソリン添加剤を使うのはオイル交換時期が近づいたタイミング(たとえばあとちょうどワンタンクぶん走ったらオイル交換とか)で使うのが上手な使い方だと言えます。同じことはワコーズのRECSなどにも言えます。

実際のフューエルワン使用後の効果は?

フューエルワンを入れたガソリンで1タンクぶん、街乗りおよび高速道路での巡航などで走ってから、新たにフレッシュなハイオクガソリンを入れて走ってみましたが、たしかに吹け上がりやレスポンスが以前より軽くなった気がします。 もちろんこれは体感的なもので、それを数値で表すことはできませんので、プラシーボだと言われても否定できませんが、エンジンの調子はたしかに「より快調になった」と実感できますので、個人的には使ってみて良かったのではないかと思っています。今回、私は1タンクぶんだけの使用で終わらせましたが、走行距離が多くカーボン汚れが多いと思われるエンジンの場合は2タンクぶん連続で使うとより効果的だろうと思います。 あるいは、前回の記事でも紹介した「GA-01」や「HKS DDR」などのフューエルワンより強力なカーボン除去作用のある製品を使用するのも検討する価値があると思います。 ただ、前述したようにくれぐれもこの類の洗浄添加剤使用後はなるべく早めにエンジンオイルとオイルフィルターの交換をしましょう。

このフューエルワンの最適な使用サイクルは?

このフューエルワンを使用するサイクルですが、人によって5000kmごととか10000kmごととか言う人もいますが、私はこういう特殊なケミカル剤はあまり頻繁に使用するのは良くないと考えますので(そもそもこのPEAと同等の清浄作用成分は市販のハイオクガソリンにも少量入っていますし)、通常のインジェクターがポート噴射のエンジンならせいぜい30000kmから50000kmサイクルで充分な気がします。 ただし、GDIやD-4などの第2世代の直噴エンジンや、現在の第3世代の直噴エンジンは吸気バルブや燃焼室内、およびインジェクターに多量にカーボンが付きやすいので、10000kmから20000kmくらいの短いサイクルで使用することが有効ではないかと思います。