K6Aにポン付けできるタービンについて

なんだかんだでHT07-A/R12タービンに落ち着いた私のジムニーですが、それまでにいくつかタービンも入手、比較するとともにいろいろ情報収拾もできたので、今回はK6Aにポン付けできる(ここで言うポン付けとは、基本的にノーマルEX.マニホールド&アウトレットパイプのままで装着可能という意味で捉えてください)タービンの特性について自分なりにですが比較してみたいと思います。「どれがベストな選択か」は使う人の考え方やクルマの使い方、チューニングの方向性によって大きく変わってきますので、タービン選択の参考のひとつとして考えていただけると幸いです。

↑HT07改タービン(A/R9仕様)

それぞれのタービンの特性をわかる範囲で書きます。

<ノーマルタービン>

HITACHI製HT-06-3B、A/R6~7(正確には不明)仕様。

F6Aツインカムではワークスとカプチーノで仕様の異なったタービンでしたが、K6A(旧規格)エンジンではコストダウンとためもあってか、基本的にすべて同じ仕様のタービンのようです。

このノーマルタービンはかなり低速型で、コンプレッサー風量は多めですが、排気側の抜けが悪いので思ったほど高回転が伸びません。

ブーストアップしても最高パワーはせいぜい80~85PSほどで、エンジンのピーク回転数は6500rpm。K6Aエンジンが意外に回らないように感じるのはこのタービンのスペックによるところが大きいです。

ちなみに新規格K6Aの一部にはIHIタービンの設定もありますが、これはもうコストダウンのカタマリでして、図のようにエキゾーストハウジングとセンターハウジングが一体になっていて排気タービンの効率が台無しになっていたりアクチュエーターもコンプレッサー一体になっていたりと「見るも無惨な」タービンです。

ここまでコストダウンがすすむと、チューニングタービンとしては比較したくもありません。

<K6AワークスRタービン>

HITACHI製HT-06-4B、A/R12仕様。

これはスズキスポーツのN2タービンと同じ仕様です。 異なる点はアクチュエーターが非調整式なこと。

パワーは4000rpmあたりから盛り上がり、本格的なパワーバンドは5500rpmからになります。

このタービンは速いです。 5000rpmまではトロいですが、フルブーストに達すると一気にレッドゾーンまで飛び込み、ノーマルタービンから換えるととても同じエンジンとは思えないほどのパワーとフィーリングになります。 ただし、繰り返しになりますが、フルブーストに達するまではちょっとかったるい感じになります。 ブーストをかけて充分にこのタービンの面白さを味わいたいのなら、インジェクタ容量は260cc以上が欲しいところです。 最高110PS程度。

※私は未確認なのですが、このK6AワークスRタービンは前期(1型)と後期(2型以降)があるらしく、仮にそれが正しいとすると、私が入手したタービンは後期(2型)のものということになります。

ちなみに前期(1型)はコンプレッサーは同じらしいですが、排気側がA/R12ではなく、A/R9との情報がありますが詳細は不明です(私は信用していません)ので、タービン選択の際はこの点にご留意ください。

<SUZUKI SPORT N2タービン HT-06>

HITACHI製HT-06、A/R12仕様。

これは上記のワークスR純正タービンと基本仕様、性能、特性は同じです。 異なる点はアクチュエーターが調整式であることと、バランス精度等の組み込み精度が純正よりは高いことです。

<SUZUKI SPORT N2タービン IHI RHB31>

IHI製RHB31FW、A/R9仕様。

K6AワークスRタービンやSUZUKI SPORTのHT06では高回転型すぎるという場合にちょうどいいと思われるタービンです。 もともとIHIのタービンは同じ仕様ならば他社のタービンよりより低回転から過給できるという高効率なタービンですので、街乗りから高速、クローズドコースなどオールマイティーに使う人にとってはベストな選択だと思います。インジェクタは260cc以上が欲しいところ。 最高110PS程度。

<ワゴンRプラス純正HT07>

HITACHI製HT07、A/R9仕様。

これも性格的には上記のSUZUKI SPORT IHI RHB31に近いものがあります。 コンプレッサーはHT06より高風量ですのでピークパワーはSUZUKI SPORTのIHI RHB31よりも出るはずです。 それでいてA/Rが9なのでわりと低回転域から過給がかかることから、4000rpm程度から充分に使えるタービンでしょう。

インジェクタは260cc以上が欲しいところ。 ターゲットパワーは110PS程度。

ただ、どうもコストダウンによるものかコンプレッサーサイズにラージとスモールがあるようです。(詳しくはこのページのいちばん下の比較を参考にしてください)

<HT07改A/R7-スモールコンプレッサーヴァージョン>

HITACHI製HT07、A/R7仕様。

NOR WALK等で売られているわりと低回転から過給ができるテクニカルサーキットおよびクロスカントリーに適したハイフロー&ハイレスポンス仕様。 07タービンと名がついていますが、コンプレッサーはHT06と共通のサイズであり、しかもA/Rは7と低速から立ち上がるような特性になっています。

ですので高回転での驚くようなパワーはありませんが、ノーマルタービンと同じくらい低速から厚いトルクがあり、ピックアップもよく高回転でも詰まりなく回るというオールラウンド仕様です。

街乗りにも適していると思います。 インジェクタは260cc以上が理想ですがノーマル230ccでもブーストを1k以下にするか燃圧レギュレータを高圧のものにするなどすれば対応可能。 パワーは100PSほど?

<HT07改A/R9-ラージコンプレッサーヴァージョン>

HITACHI製HT07、A/R9仕様。

これが本来のHT07と言えるタービンです。 コンプレッサーは明らかに06よりも大きく、K6Aに装着するときは若干ですがコンプレッサーハウジングを削らないとウォーターポンプに干渉します。

基本仕様はワゴンRワイドの純正タービンのラージコンプレッサー仕様と共通と考えていいと思います。

インジェクタは260cc以上が欲しいところ。 ターゲットパワーは110PS前後。

<HT07改A/R12-ラージコンプレッサー仕様>

私の使っているオリジナルな組み合わせのタービン。 上記のラージコンプレッサーのHT07にA/R12のエキゾーストハウジングを組み合わせて高回転でのパワーを重視した仕様です。 特性としてはK6AワークスRやSUZUKI SPORTのHT-06と似たような感じで、4000rpmあたりから盛り上がり、本格的なパワーバンドは6000rpmからです。 インジェクタは260cc以上必須。 ターゲットパワーは110~120PS程度でしょうか。

あまりジムニーに向いている性格のタービンではありませんよ(笑)

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<F6Aツインカム純正ワークス純正タービン>

IHI製RHB31、A/R9仕様。

F6Aツインカムはワークスだけ(前期除く)が高回転型のエキゾーストハウジング/タービンホイールになっています。 ですので、K6A純正タービンよりも排気の抜けが良くなっていますので、このタービンにするとより回るようになると考えられますが、ただコンプレッサーの風量はK6A純正のほうが若干ですが多いと思うので結果として相殺しあうような気がします。 ただ、特性としては高回転まで回るようになるでしょう。

もともと純正タービンですのでインジェクタは純正で充分。 最高パワーは90PS前後。

<F6AワークスR純正タービン>

IHI製RHB31、A/R9仕様。

これは上記F6Aツインカム純正ワークス用のタービンのコンプレッサーハイフローにしたものです。

たしかにノーマルK6Aタービンよりもパワーは出ますが、ちょっと中途半端な気がしますので、これをつけるくらいならSUZUKI SPORTのRHB31か、ワゴンRワイド純正タービンのほうがいいのではないかと思います。

インジェクタは純正でも260cc以上でもどっちでも。 ターゲットパワーは95~100PSくらい?

HT07のスモールコンプレッサーとラージコンプレッサーの見分けかた

私が実際に手にして比較した限りでは、上図のような差異があります。

この他の違いとしては、スモールコンプレッサーの場合は主にエキゾーストハウジングがバンド締めによって組み込まれており、ラージコンプレッサーの場合には4本のボルトとプレートによってセンターハウジングとエキゾーストガウジングが組み立てられていることでも識別できます。

おそらくスモールコンプレッサーの仕様はコストダウンを図るためにHT06とインペラーを共通化した後期仕様で、現在流通している多くはこのタイプだと思います。

早い話、このスモールコンプレッサーのHT07は「07」と名がついていますが、スズスポのHT06タービン等と同じサイズのコンプレッサーということです。