レヴィテック(REWITEC)エンジンコーティング剤「PowerShot」を入れてみました

以前から私はエンジンオイルに何らかの添加剤を加えることには否定的な見解を述べてきました。それは今でも同じです。 「添加剤に金かけるくらいならはじめから高くても最高品質のエンジンオイル(たとえばMOTUL300Vシリーズ)をそのまま使うべき」というスタンスだからです。

しかし、今回紹介するレヴィテックのPowerShotはベースとなるエンジンオイルに混合して機能するいわゆる今までのオイル添加剤とは性質が異なり、ベースオイルの性能、性質は変えずに、それ単独で金属表面の改質、改善をするというものです。 つまり、エンジンオイルに混ぜて入れるのは通常のオイル添加剤と同じですが、エンジンオイルはあくまでもPowerShotをエンジン各摺動部に運ぶだけの役割であり、各摩擦摺動部に行き届いたPowerShotのシリジウムのナノ微粒子はそれ単独でコーティング作用をして金属表面の平滑化を図り、シリカ皮膜を形成、摩擦抵抗、メカニカルロスの低減をおこなうというものという説明です。 とは言えちょっと私には「シリジウム」とは何なのかさっぱり解りませんが。

レヴィテックのパンフレットによる説明だけ見ると今までにもよくある金属表面の微細な凸凹(ミクロンレベルではなくサブミクロン、あるいはナノレベルの)を埋めて金属表面を滑らかにするという製品とたいして変わらないんじゃないかという気がしますけどね。

PowerShotにはS、M、Lの3種類の容量があるのですが、軽自動車の660ccエンジンにはこのSサイズ(60cc)がベストマッチです。 あるいは初回だけこのSサイズを2本注入するのも良いかと思います。 ちなみにこれらレヴィテックの製品はすべてMADE IN GERMANY、つまりドイツ製です。

私も最初はその効果を疑って見ていました

これを知ったのは私がいろいろお世話になっている(有)緑整備センターですが、すでに多くのGT-Rなどのチューンドエンジン、リッターSSなどのスポーツバイクエンジンなどに使用しており、ユーザーの反響もかなり良好で、なにより緑整備センターで実際にBNR32 GT-Rのライトチューン車にPowerShotを入れてダイナパックでテストしたところ、なんと20PS以上もパワーアップしたのです!

他に何も変更せず「レヴィテックPowerShotを入れただけで」です。これが5PSやそこらならただの誤差で済まされる話ですが、さすがに20馬力以上も上がったとなると真っ向から否定してかかるわけにもいきません。

さらにバイクに入れた人からは「ギアの入りが非常に良くなり、また、エンジンブレーキの効きが弱くなった」との意見も聞かれました。つまりそれだけフリクションロスが減ったということなのでしょう。

あのWECのアウディワークスレーシングマシンにも使用されているREWITEC

↑AudiのWEC LMP1クラスのワークスマシン「R18」。このマシンにもレヴィテックが使われています。

とは言っても厳密にはレースではレギュレーション違反になるらしいので、実際にはエンジンテストベンチ上でレヴィテックを入れてエンジンをブレークインさせてコーティング皮膜を作る(PowerShotは約1500Kmの走行距離で完全な皮膜を作るのだそうです)作業をしたあと、エンジンオイルをレヴィテックの入ってないものに入れ替えるのだそうです。

この手の「金属表面の微細な凸凹を埋める系のコーティング剤でよく語られることのウソ」

この類のエンジンオイル添加剤(コーティング剤)でよく聞く話で「そんな粒子がシリンダー表面を被ったらオイル保持のためのクロスハッチが埋まってしまうじゃないか」という方がいます。ですが、これはまったくお笑いというか、粒子の大きさとクロスハッチの深さはまったくレベルが違う次元の話なので心配要りません。

というのも、たとえばこのレヴィテックの粒子のサイズはサブミクロン(1/10000mm以下)のナノレベルのサイズであり、対してシリンダークロスハッチの深さはミクロンレベル(およそ2/1000mm~5/1000mm)ですので、クロスハッチ溝が埋まるなんてことは絶対にあり得ないのです。

↑これは私のJA22ジムニーのK6Aエンジンオーバーホール時のシリンダーホーニング完成写真。きれいな

プラトーホーニングによるクロスハッチが形成されています。 このクロスハッチがREWITEC PowerShot

の微粒子で埋まるなんてことはありませんのでまったく心配は要りません。 もちろん、オイルフィルターの

目が詰まるなんてこともありません。 そういう次元のサイズではないのです。

というわけで、実際に私のチューンドジムニーのK6Aターボエンジンにも入れてみました!

(有)緑整備センターの社長や私のエンジンを組んでくれた社長の息子さんにもいろいろ気になる質問、とくにマイナス面、「たとえば成分が沈殿しないのか?、オイルフィルターやターボのオイルラインを詰まらせたりしないのか?、オイルシール等への攻撃性はないのか?、今まであった「進化剤」などとどう違うのか?」など詳しく話を聞き、私自身納得できたので、PowerShotを購入、その場でエンジンに注入しました。

↑レヴィテックPowerShotを入れているところ。作業自体は普通に添加剤を入れるのと同じです。 容量も60ccなのでエンジンオイルを抜く必要もありません。 そしたらすぐにエンジンをかけ、しばらくレーシング(空ぶかし)をさせて初期馴じみをさせます。すると、すぐにその変化が感じ取れました。明らかにメカニカルノイズが減少し、エンジン音が投入前より澄んだ音質になったのです。 これにはちょっとびっくりです。その後、すぐに15分以上走行します。それもただ漠然と走るのではなく、全開加速を何度もくり返すようにエンジンに負荷をかけて走行させるのがポイントです。このレヴィテックは熱と負荷(極圧)によって定着する性質があるためです。 ちなみにこの初期馴染みの走行は緑整備センターの社長自身がおこなってくれました。

実走行での変化は?

前述したようにレヴィテックが完全な皮膜を形成するにはおよそ1500kmほど走行する必要があるのですが(言い方を変えるとレヴィテック投入後1500kmはオイル交換をしてはいけない)、注入してすぐにその効果を感じることはできます。 まず、回転フィールの滑らかさと低回転トルクの向上感。これはわざと今までより一段高いギアで低いスピードからアクセルを踏んでみるとよくわかります。 そしてそのままレッドゾーンまで一気に全開にするとまさに「胸のすくような」パワフルで気持ちいいなんとも言えない加速感に浸れます。

これはかなりクセになりますよ。たかが3気筒の軽自動車のエンジンがとてもシルキーな回転フィールになって、しかもターボのブーストがかかってからの爽快な加速感、とても今までと同じエンジンだとは思えないくらい素晴らしい変化をもたらしてくれます。 こうなると早く走行距離を稼いで、コーティングがその本当の効果を発揮してくれるのを体感するために高速で全開走行を試してみたくなるのが人情ってものです。

とりあえずガソリン2タンクぶん走って高速での全開走行をしてみました

厳密にはレビテックの言う1500kmにはまだ足りませんが、もう距離を重ねるごとに明らかに良くなっていくエンジンフィールに我慢できなくなり、さっそくブリッツパワーメーターidによる最高速アタックをしてみました。 ただ、今回走行したのはまさに真夏の夜、吸気温度も高く、条件としては最悪で決して理想ではありません。とくに心配な油温に注意しながらの全開アタックです。

高速に乗り、2速全開→3速全開→4速全開とシフトアップしていきますが、とにかく回る回る、9000rpmのレブリミッターに当たるのですが、エンジンが回転慣性で一瞬、9000rpmを超えてしまうのです! さすがにこれはヤバいくらいの回り方をします。 実際に緑整備のお客さんで、バイクですがレヴィテックを入れてオーバーレブさせてしまいバルブがサージングをおこしてエンジンを壊してしまった人がいるくらいですから。

とにかくレヴィテックの効果でエンジンがよく回るようになるので、オーバーレブには細心の注意をして5速にシフトアップして連続全開アタックに入りました。

ブリッツパワーメーターidのピークホールド値

↑最高速度のピークホールド値。真夏だというのに前回のスキッドプレート装着時の記録を1km/h上回りました。夏場でこれですから吸気温度の低い季節ならもう少し伸びることでしょう。

↑最高出力はこれまた今までの記録を5PS更新し、260馬力というアホみたいな数値を記録しました。いずれにしてもスピード、パワーともに過去最高を記録したわけですから、これはレヴィテックPowerShotの効果があったと言っていいと思います。 しかし、この記録とは別に、なにより乗ってて気持ちいい体感、パワーフィールが最高ですね。5000rpm以上の高回転域が気持ち良くてたまりません!「K6Aエンジンってこんなに気持ちいいエンジンだったっけ?」と思ってしまうほどです。

↑排気温度計のピークは今までと同じ860度、油温のピークは110度ちょっとでした。 外気温が高いにもかかわらず意外と油温が上がらなかったのももしかしたらレヴィテックの効果なのかもしれません。

「進化剤」とレヴィテックの違いは?

(有)緑整備センターはご存知の方も多いと思いますが、レヴィテックとともに進化剤の取扱い施工ショップでもあります。 しかし、今はもうレヴィテック一本に絞っているのが現実。 なぜなら緑整備センターの社長は「常に最高のものを取り入れユーザーに提供する」というのがポリシーのような人だからです。 ですので、進化剤が最高のものであったときは進化剤を勧めていましたが、それを超えるレヴィテックを販売するようになった現在では進化剤はすでに「用済み」となったわけです。 技術は常に進歩してますからね。チューナーとして当然の姿勢です。

そもそも進化剤はその販売体制に問題というか疑問があり、結局、私は使いませんでした。 実際、緑整備さんも私にはそれほど進化剤を強く勧めてはきませんでしたし、私も進化剤の施工方法には非常に疑問を感じていました。そのことを緑整備の社長に言うと社長自身も進化剤のこの施工方法には疑問があるらしく納得はしていなかったようです。

↑進化剤はこのように点滴をうつようにオイルレベルゲージ穴などからエンジンをかけたまま少しづつ注入するのですが、ハッキリ言ってこんなのまったく無意味です。 普通にオイルフィラーキャップを開けてそのまま入れてもまったく問題ありません。 ではなぜ進化剤はこんな大袈裟でいかにもそれっぽい注入の仕方をするのかというと、早い話こうすれば「工賃が取れる」ことと「素人であるユーザーにいかにも付加価値があるような作業に見える」からというのが本音なのです。 こうした理由から進化剤は個人ユーザーには販売しないわけで、この「うさん臭い商売のやり方」が私はなにより嫌いで、これも私が進化剤を使用しなかった理由の一つなのです。

レヴィテックPowerShotのとりあえずの総評

まだ私もそれほど走行距離を走ったわけではありませんので断言はできませんが、現時点では「かなりオススメ」できる「フリクションモディファイアー」系のケミカル剤だと言えます。 ちなみに、このPowerShotは一度施工すると20000kmほどは効果が持続するとのことですので、オイル交換の度に入れる必要はありません。

ただ、オイル交換ごとに少量を補充することでより高い効果が得られるとのことです。

↑レヴィテックPowerShotのSサイズの値段は定価8000円(税抜き)です。 これで20000km(メーカー側では

50000kmと謳っていますが)効果が持続するならそれほど高い買い物ではないと思います。

燃費について

私はハッキリ言ってこの車に燃費など求めていないので、はじめから計測するつもりもなかったのですが、いちおう2タンク以上走って満タン法で計算(もちろんタイヤ外径の誤差修正も入れて)してみたところ、リッター12キロ以上走っていました。 これだけ聞くと「燃費悪いじゃん」と思うかもしれませんが、前述したように高速での連続全開の最高速アタックや、シフトダウンしてのフルブースト急加速のくり返しなど、インジェクター全開でガソリンをバカ食いする乗り方をしまくってのこの数値ですから、それを考えてもらえばむしろ良好な燃費ということができると思います。 日常走行なら15km/lくらいは走るのではないでしょうか。

レヴィテックシリーズはミハエル・クルム氏のプロデュースによる製品です

↑レーシングドライバーとして日本でも有名なミハエル・クルム選手。 R35 GT-R NISMO ニュルスペックでのニュルブルクリンクのタイムアタックは記憶に新しいところですね。 じつはクルム選手はずっと前から緑整備センターのパーツ開発のテストドライバーも努めていて、今回のレヴィテックもいち早く緑整備センターに紹介して実際に社長が様々なテストをして「これは素晴らしい」と認めて採用したわけです。

レヴィテックの商品ラインナップ

↑レビテックにはこのエンジン用のPowerShot以外にも、トランスミッション、デフなどに使うギア用の「G5」があります。これはMTだけではなく、ATやDCT、およびCVTにも使えるとのことです。 実際、エンジン用のPowerShotよりもこのギア用のG5のほうが効果がハッキリわかったというお客さんもいて、ギアの入りが非常に良くなったという話をされていました。 私も次回のミッションオイル、デフ、トランスファーオイル交換時にG5を入れてみようと思います。

もちろん理想はオイル交換と同時ですが、まだオイル交換してまもないうちは投入して構いません

↑理想を言えばオイル交換と同時にレヴィテック注入が理想ですが、私の場合は前回オイル交換してからまだ1000km程度しか走ってなかったので、そのまま注入しました。 レヴィテックは定着するまで1500kmほど走行する必要があるので、次のエンジンオイル交換まで1500km以上ある場合は投入して問題ありません。

しばらくは何もやることはないだろうと思っていた私のJA22ジムニーのK6Aターボエンジンですが、今回新たなケミカル剤を投入してまた一歩進化した感じです。 そう考えるとこれも立派なエンジンチューニングのひとつといえるのかもしれません。 「こんなもんオカルトに決まってる!」と頭から決めてかかっているようなアタマの固い人には勧めませんが、興味のある方はぜひお試しあれ。

注釈)検索エンジン用にあえて本文では「REWITEC、レヴィテック、レビテック」と3種類の呼称で書いています。