雑所得の課税方式と税率、確定申告時の計算方法などを紹介

平成26年度(2014年度)版について記載。

店頭FXや店頭カバードワラントについては、「先物取引等にかかる雑所得等」になっています。

雑所得とは

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得などの所得に当てはまらない、その他の所得です。

また、以前は、店頭FXや店頭CFD、満期前のカバードワラントの売買も雑所得として扱われていましたが、平成25年度(2013年)
では雑所得ではなく「先物取引にかかる雑所得等」になりました。

具体的に、雑所得に該当するものとしては以下のようなものがあります。

課税方式と税率

上図を見ての通り、雑所得といっても、その収益の源泉によって取り扱い方が異なります。

① 金融類似商品(金貯蓄口座の利益、定期積み金等の給付補てん金など)

② 予約レートを設定している外貨預金の為替差益
収入を得る前にあらかじめ源泉徴収され、確定申告をする対象とはなりません。
他の理由で確定申告をする場合でも、雑所得を計算する上でこれらの収益は含めません。
源泉徴収される税金の税率は、その収益に対して20%(所得税15%+住民税5%)となっています。

③ 国民年金、厚生年金、退職年金などの公的年金等

④ 原稿料や講演料などで事業としていないもの
収入を得る前にあらかじめ源泉徴収されますが、確定申告の対象となります。

源泉徴収される金額は、

公的年金等は、源泉徴収税額=(公的年金等の支給金額-控除額)×5% (1円未満の端数切捨て)
原稿料等は、100万円以下の場合、源泉徴収額 = 支払い金額×10%
100万円超の場合、源泉徴収額 = (支払い金額 – 100万円)×20% + 10万円

となっています。

課税方式は総合課税です。
雑所得として計算した後、事業所得や不動産所得、譲渡所得、給与所得、一時所得などと合算され、その合計額から所得控除が差し引かれます。
その控除後の金額に対して、所得税では超過累進税率が適用され、その金額に対して5%~40%かかります。
また、住民税がこれとは別に10%かかります。 つまり、合計15%~50%かかることになります。
そして、納付税額の計算のときにあらかじめ支払った源泉徴収額を差し引きます。

⑤ 生命保険契約での年金(個人年金)

⑥ 予約レートを設定していない外貨預金の為替差損益(外貨預金の為替差損は、雑所得内で相殺可能)

⑦ 株主優待で、発行会社が利益処分をしていないもの(利益処分されているものは配当所得に該当)

これらは、収入を得るときに源泉徴収されませんので、確定申告の対象となります。
課税方式は総合課税です。
雑所得として計算した後、事業所得や不動産所得、譲渡所得、給与所得、一時所得などと合算され、その合計額から所得控除が差し引かれます。
その控除後の金額に対して、所得税では超過累進税率が適用され、その金額に対して5%~40%かかります。
また、住民税がこれとは別に10%かかります。 つまり、合計15%~50%かかることになります。
そして、納付税額の計算のときにあらかじめ支払った源泉徴収額を差し引きます。

また、東日本大震災による特例により、平成25年から平成49年までの25年間は、所得税率に対して2.1%の復興特別所得税が加算されます。

確定申告について

所得税の確定申告

基本的に、納付すべき所得税額がある場合は、確定申告は必要です。

「納付すべき所得税額」というのは、正確には、「所得税の額の合計額が配当控除の額を超える場合(法120①)」のことですが、税額控除で配当控除以外は、外国税額控除や措置法による税額控除で、これらは申告することによって認められています。

ただし、サラリーマンにおいては、以下のような例外などに該当する場合、確定申告は不要となります。
無職の人や主婦、自営業者などは、サラリーマンではないのでこれには該当しません。

給与所得者について、給与・退職以外の所得が20万円以下であった場合

毎月、給料やボーナスから所得税が源泉徴収され、年末調整を行った給与所得者(派遣社員、契約社員、パート、アルバイトふくむ)は、所得税の確定申告をする必要はありません。

ただし、年末調整を行った給与所得者でも、確定申告をしなければならない条件の一つとして、「1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」というのがあります。

つまり、「1つの会社だけから給料をもらっている人で、給料・ボーナス、退職金以外に収入がある場合、それを所得(収入ではない)として計算した結果、20万円を超えていた時は、年末調整をしていても確定申告しなければならない」ということです。
逆に言えば、20万円以下ならば、確定申告はしなくても良いということです。

「給与所得及び退職所得以外の所得」としては、株や投資信託の売買、信用取引、先物取引、FX、外貨預金などの金融商品から派生する収入だけでなく、満期生命保険の一時金やオークションでの売買、懸賞金、土地や建物の売却なども該当します。

これらを、それぞれ該当する所得の中で所得金額を計算し、その合計額が20万円以下であれば、確定申告は不要となります。
よく株で20万円を超えて儲かったら確定申告が必要だといわれるのは、この条件のことです。

ただし、確定申告が不要な条件としては上記以外にもあります。
たとえば、「給与の年間収入金額が2,000万円を超える人」は、上記に該当していても確定申告は必要になります。
かならず、国税庁のHPなどで確認をしてください。

住民税の確定申告

住民税については、上記のような特例はありません。
利益があれば、確定申告が必要となります。

とはいえ、所得税の確定申告を基に住民税も計算されますので、20万円以下だったので所得税の確定申告しなかった人が住民税だけ確定申告するって・・・聞いたことがありません。

他の所得との関係

雑所得は、同じ雑所得に該当する損益同士の相殺はできます。
たとえば、公的年金等の収益と外貨預金の為替差損の相殺ができます。

雑所得がマイナスとなった場合、雑所得は0円とみなされますので、他の所得と相殺することはできません。

雑所得の計算

確定申告をする必要があるものについては、雑所得を計算しなければなりません。
雑所得の計算では、公的年金等とそれ以外に分けて計算し、後で合算します。
合算後、雑所得の金額が損失であった場合、雑所得は0円とみなされます。
そのため、他の所得との損益通算や繰越控除などはありません。

公的年金等にかかる雑所得の金額の計算については、国税庁のHPに速算表があります。

雑所得の計算例

雑所得の税金

雑所得は、総所得金額として、他の所得と一緒にして計算されます。
総所得金額に該当する所得としては、ほかに、配当所得、給与所得、譲渡所得、事業所得、不動産所得などがあります。

課税は、総所得金額全額に対してではありません。
詳細は省略しますが、まずは、総所得金額のうち、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得に損失がある場合は、総所得金額の中で損益通算をします。
つづいて、総合長期譲渡所得と一時所得については、その所得の金額を×1/2とします。
そして、前年度からの純損失の繰越控除や雑損失の繰越控除があれば、それらを差し引きます。
最後に、医療費控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引きます。
その結果が課税対象となります。(課税総所得金額といわれています)

課税総所得金額については、超過累進税率が適用されます。
超過累進税率とは、その所得の金額に応じて税率が段階的に異なる税の仕組みのことで、所得税では、5%~40%となります。